ベラジオ 雅び 北野白梅町
京町家の伝統のしつらいを採り入れ、端正に、そしてモダンに─。 天満宮の門前に広がる街の風景に調和しつつ、品格ある存在感を湛える外観デザイン。
外観デザイン
古都の風趣を望む、品格のある外観デザイン。
共用部
古の日本の技〈指物〉の美が日々の風景になる雅びの空間。
【漢詩 月夜見梅花】
月耀如晴雪 (月の耀くは晴れたる雪の如し)
梅花似照星 (梅花は照れる星に似たり)
可憐金鏡轉 (憐ぶべし 金鏡転り)
庭上玉房馨 (庭上に玉房の馨れるを)
-菅原道真が11歳の時に詠んだ詩
エントランスには指物師・村山 伸一 氏による〈組子〉技法の三連パネル「月夜見梅花」を設置。 菅原道真が愛した”雅び“な風景を京組子で表現しています。
アーティストコラボ作品
『月夜見梅花』─エントランス
連続した幾何学模様が続く…細かい連続したものが続いて大きなものになっていくというのも日本人の精神性にマッチしていると思いますし、作っている僕たちも日本ならではの美しさを感じております。
今回の作品のタイトルになっている『月夜見梅花(げつやにばいかをみる)』というのは、菅原道真が11歳の時に詠んだ漢詩で、まずはこれに詠まれた「月」「梅の花」を作品に散りばめよう、というところからスタートしました。
僕たちは常々立体的に制作していますので、ただ平面で作るのではなく、裏から、表から、はめ込んでレイヤーが2層3層に重なるイメージで制作しました。
マンションのエントランスという共用部分ではありますが、所有された方に「私たちのマンションにはこんなものがあるよ」と自慢してもらえるように、日本ならではという自分たちのアイデンティティを自慢してもらえるように、そんな気持ちで制作しました。(指物師 村山 伸一 氏)
村山木工の「京組子」
釘や糊を使わず木だけを組んで仕上げた工芸品を「指物(さしもの)」といいます。
私は父から指物全般を学び、独立してからさまざまな仕事をしていくなかで指物技術の組子(くみこ)の世界へ入っていきました。
組子というのは、大きく分類すると指物のジャンルの一つで、連続した幾何学模様をつなげて意匠に組み上げる木工細工です。
本来は平面として組む伝統がありますが、そこから進んで、平面でも模様を立体的に仕上げたり、またフォルム全体を円筒状に仕立てるなど、あらゆる立体仕上げを研究、「組子の構造物」として特許を、また「京組子」の商標登録を取得しました。
伝統工芸を守ろう・残そうとしても、需要のないものを残すことは難しいと思います。
人が欲しいと感じる伝統工芸が生まれれば、勝手に残っていくと思います。
なので「伝統」ということに甘んじるのではなく、新しいエッセンス、現代の人たちが素敵だと思うものを生み出して行きたいと思い日々制作をしています。(指物師 村山 伸一 氏)
制作アーティスト
指物師
株式会社 村山木工 代表 村山 伸一 氏
一九六三年 京都市生まれ。一九八五年より、父・進を師に木工芸の道に入る。一九九一年、有職御雛司京都大木丸平の仕事を始める。一九九二年、伊勢神宮 第六十一回式年遷宮 御神宝(御太刀揃)製作。雅子妃殿下雛道具 製作。一九九五年、雲上流造花 村岡松華堂の仕事を始める。一九九六年、京都京北町に工房を構え独立。三井家 雛道具 復元・製作。以降、代表的な製作に、伏見稲荷天狗面箱、熱田神宮 柳箱、伊勢神宮 第六十二回式年遷宮 御神宝など。日本工芸会準会員。日本伝統工芸展入選多数。
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