TOP
指物師 村山 伸一 氏

日本の伝統木工芸「組子」を、新たな美術工芸「京組子」へ。

株式会社 村山木工 代表 指物師

指物師

村山 伸一 氏

Murayama Mokkou President,Woodwork Artist,Shin-ichi Murayama

一九六三年 京都市生まれ。一九八五年より、父・進を師に木工芸の道に入る。一九九一年、有職御雛司京都大木丸平の仕事を始める。一九九二年、伊勢神宮 第六十一回式年遷宮 御神宝 御太刀揃)製作。雅子妃殿下雛道具 製作。一九九五年、雲上流造花 村岡松華堂の仕事を始める。一九九六年、京都京北町に工房を構え独立。三井家 雛道具 復元・製作。以降、代表的な製作に、伏見稲荷天狗面箱、熱田神宮 柳箱、伊勢神宮 第六十二回式年遷宮 御神宝など。日本工芸会準会員。日本伝統工芸展入選多数。

image1
image2
image3

美術工芸品としての指物から、組子細工の世界へ。

釘や糊を使わず木だけを組んで仕上げた工芸品を指物といいます。
私は父から指物全般を学び、独立してからさまざまな仕事をしていくなかで指物美術の組子の世界へ入っていきした。きっかけは、日本一の人形屋さんの仕事をさせていただいたことですね。人形を囲む灯りや箪笥といったあらゆる複雑な飾りを、小さく精度高く指物で組んで作る。まさに美術工芸品として、こんなに精密なものが作れるのだと、非常にやりがいを感じました。そしてもっと変化のあるものを作ってみたいと、組子に興味を深め、取り組むようになりました。

模様やフォルムを立体的に組む、独自技術の「京組子」。

組子は、連続した幾何学模様をつなげて意匠に組み上げる木工細工です。日本人の精神性に合っており、模様と共に日本ならではの美しさを誇っていると思います。もとより木のあたたかみがあり、光をあてたときも木のやわらかな反射でほのかな灯りになるのも魅力です。
本来は平面として組む伝統がありますが、そこから進んで、平面でも模様を立体的に仕上げたり、またフォルム全体を円筒状に仕立てるなど、あらゆる立体仕上げを研究し、2年前に「組子の構造物」として特許を、また「京組子」の商標登録を取得しました。立体組子のデザインは難しいですね。はじめにラフスケッチで全体をイメージし、それから具体的にピッチを計算して模様を設計図にします。京都のホテルの室内装飾など、インテリア性の高さが好評をいただいています。

北野白梅町に、道真公が詠んだ月、梅、雪、星の立体組子をしつらえて。

今回の「ベラジオ 雅び」のエントランス・ギャラリーには、場所が北野白梅町ということで、菅原道真公の漢詩「月夜見梅花 (げつやにばいかをみる)」をテーマに挙げました。
なかに詠まれた、月、梅、雪、星をモチーフとして、全長10メートル以上の大きなパネルに一つの風景のように仕上げました。サイズが長いため、何枚もに分割して制作し、設置時に組み立てる設計です。また、パネルではありますが、各模様を表から裏からと立体組子で仕上げました。
京都の名だたるアーティストが手がけておられるこのエントランス・ギャラリーに名を連ねていただいて誇りに思います。これからも、伝統を守る、残すとともに、求められるもの、素敵だ!といってもらえるものを創り続けていきたいと思います。

Collaboration 村山 伸一 氏の参加物件

ベラジオ 雅び 北野白梅町

分譲中物件