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日本ホールディングス株式会社 代表取締役社長 八尾 浩之

「都」と”雅び“への憧れを。見つめなおして

日本ホールディングス株式会社 代表取締役社長

代表取締役社長

八尾 浩之

President, Hiroyuki Yao

1992年京都・四条烏丸に創業。2001年より自社分譲マンション「ベラジオ」シリーズを販売。
その後も単身者向けマンションを中心として、マンションの開発・販売事業を展開している。

景観条例を守る、から“雅び”を学ぶという視点の転換。

今からおよそ十四年前のことです。京都の自然風景と街並み景観を守るために「京都市新景観政策」が施行され、建物の高さや色使い、素材使いなど建物造りの規則が厳しくなりました。その頃からですね、京都らしさということを真剣に考えはじめたのは。
現在の都市部で、山河もうるわしく四季の景色に囲まれる街はたしかに京都に勝るところはなく、それは脈々と街の景観を守り継いできた人々のおかげです。
マンション開発事業の立場から考えますと、京都は土地の入手が困難ですし、建物の高さが出せないため戸数がおさえられてしまうといった、非常に不利な条件が前提になりますが、これまで発売した商品はおかげさまで多くの人々のご支持をいただいて今日があります。
振り返りますと、私共を支えたものは何よりも、京都という街の「歴史・自然・都」といった古くから今に息づく伝統文化にほかなりません。であれば、景観条例を超えて、あらためて京の「都」とは、「雅び」とは何かを学び、すすんで探求するべきではないか。その視線の転換から「ベラジオ雅び」の取り組みははじまりました。

「京都らしさ」から“雅び”へ、その美を受け継いでいくために。

これまで「京都らしさ」といえば、漠然と「和」のイメージが浮かんできますが、「都」・“雅び”に京文化の本質があるのではないかと考えはじめました。
全国、そして世界から「京都」への憧れがますます高まるのは、今もここが「都」の優雅な美と時に包まれているから。そして、弊社の開発チームが、建築家の方や伝統美術を魅力あるかたちで創作しているアーティストの方々に会ってお話を繰り返すうち、“雅び”コンセプトのマンションに具体的なプランが見えてきました。
たとえば外観は、現在も街に残る京町家にならい、全体には「都」の優雅な時間が流れる空間に。アプローチに一歩足を踏み入れると、たとえば路地行灯や和の植栽や竹の生垣で、心からくつろげるように。エントランスには「唐紙アート」など一棟一人のアーティストによる意味や物語を伝えるギャラリースペースを。
“雅び”とは、都の優美です。その美と心を、どのように受け継いでいくことができるか、これからもっと学び、探求し、実現していきたいと考えています。

社会、街、人々とともに文化継承。50年後100年後まで続く誇りを。

ここ10年の間に、「ESG――環境・社会・ガバナンス」の安全、公正という理念が、世界的な拡がりをみせ、さらに不動産投資分野においても、ファンドやJ-REITなど大規模物件を扱う機関がESG課題への取り組みを考慮し始めています。私たちも、これまで以上にこうしたグローバルな倫理観を商品企画に反映させたいと考えています。
「ベラジオ 雅び」においても、安全性・快適性の追求はもちろんのこと、京都の街で一つの風景となるよう京町家の意匠を受け継ぎます。
さらに、日本の伝統美を明日につなぐアーティストによる作品展示で、古き良き日本の伝統的な美意識や精神を後世に伝える。社会、街、人々とともに文化継承を担い、持続可能な未来にむけた新しいマンション・ブランドです。
おそらく、「日本」の美をコンセプトとしたマンション・ブランドは、初めての誕生だと思います。一つ一つのプロジェクトを成功させながら、「ベラジオ雅び」シリーズ全体で日本の伝統文化を守り、受け継いでゆく一助となる。
日本ならではのマンション・ブランドとして50年後100年後まで、住まう人、街に暮らす人、オーナー様、ブランドに関わる皆さまにとって誇りに思っていただけるものへと育てていければと考えています。