日本文化の中心から、街の歴史とポテンシャルを創造する
本校の特徴は、芸術学部、建築学部のそれぞれにあります。芸術学部は、ビジュアルから空間まで広範に展開するデザイン領域と、陶芸、木工・彫刻、漆芸コースを擁する工芸領域。とりわけ、日本の美と技の継承をめざす工芸領域では、これまでにはない美しさを生み出すべく、人間国宝の先生に学べる環境を整えています。
一方、建築学部では、日本で唯一、二級建築士や一級建築士の資格を取得できる体制を有する点が大きな特徴です。学生たちが学問を学ぶだけではなく、創り手として実践力を養うことに力を入れています。京都は日本文化の中心ですから、今回のような産学連携プロジェクトの機会を活かして、街の歴史とポテンシャルを発掘し、創造していけたら素晴らしいと思います。
学生の作品が、暮らしの場所で存在感を発揮するよろこび
産学連携プロジェクトで期待したいのは、まず学生たちにとって、大学の外の世界の人たちとのコミュニケーションがひろがることです。学外の人と対話しながらプロジェクトを経験することは、貴重な勉強になるでしょう。その学びの質を上げるために、教員も学生たちと楽しみながら、一緒になって取り組んでいます。
9月には実際に学生たちの作品が並ぶエントランス・ギャラリーができます。自分たちの気持ちを込めた作品が、マンションという暮らしの場所で存在感を発揮する。これは、学生たちにとって大きなよろこびとなることでしょう。
学生たちが街のなかに京都の美を創り、足跡を残していく
ひと昔前には、高級マンション以外にエントランス・ギャラリーはありませんでした。「ベラジオ 雅び」では、そこをギャラリーにしつらえ、住んでいる人に特別な場所を作られている。住む人やゲストにステイタスを感じさせるばかりでなく、美術作品で日々の心を和ませる。普通にただ通り過ぎるだけの場所とはまったく違う意味を持つ空間です。
京都は大学の街、わけても美術大学が集積しています。このように、学生たちが街のなかに京都の美を創っていき、それが確かな足跡として残り、京都がますます思い出深い地とて心に刻まれていく――そんな活動として、産学連携プロジェクトがひろがっていくとよいと思います。